乳首とクリトリスの発見から学ぶ、官能小説家への道

女性器論

昼は銀行マン、夜は言葉の魔術師へ

平日はスーツを着て堅実に働く銀行員。クレジットカードの与信をチェックし、住宅ローンの相談に乗り、時にはATMのエラーに対処しながら、私の本業はごく普通の「銀行員」です。

しかし、夜になると私はもう一つの顔を持つ——官能小説家の卵として、静かにキーボードを打ち続けるのです。

このブログ「銀行員の性活」では、そんな私の“二重生活”を赤裸々に綴るとともに、官能の世界をより深く、そして知的に掘り下げていきます。

今回のテーマは、「クリトリスの発見と乳首の証言」。そう、私たちが普段見過ごしてしまいがちな“部位”の背後にある、歴史と文化、そして官能性に光を当てます。


■ クリトリス——語られざる快楽の中枢

『ヴァギナの言語学』という一冊をご存知でしょうか。

この本は、女性器をめぐる言説と社会的意味を、歴史・宗教・医学・ジェンダーの視点から精緻に読み解いたものです。その第一章で語られるのが、「クリトリスの発見」。

かつて医学書において、女性器は“空洞”として描かれていました。つまり男性器に対応する実体を持たない、受動的な存在として見なされていたのです。

その中で「クリトリス」がどのように扱われてきたか。

「空洞の構造体である陰唇は、性交時に硬くなり、男性器に似た反応を示す」
——『ヴァギナの言語学』より

このような記述が出てくるのは17世紀以降であり、それまでは医学的な記載すら極めて希薄だったのです。

クリトリスは“女性の快楽の中枢”でありながら、長きにわたって見えないものとされてきました。

そしてそれは、官能小説においても同様です。何百冊もの古典官能文学を読んできた私の実感として、クリトリスは“名前が出てこない名器”だったのです。


■ 乳首と魔女裁判——見られることの快感と恐怖

もう一つ、同じ書籍から印象的な逸話を紹介しましょう。

中世ヨーロッパにおける魔女裁判。女性が魔女であるかどうかを判定するための決定的な“証拠”とされたのが——なんと「乳首」でした。

「悪魔が乳を吸った跡として、女性の乳首は魔女の証拠となった」
——『ヴァギナの言語学』より

刑の執行前、看守たちは女性囚人の服を脱がせ、体を検査します。そこで“乳首”や“クリトリス”のような部位が「異常に発達している」と判断されれば、それは“魔女の印”とされたのです。

しかし本書の著者は、ここにある深層心理を見逃しません。

これは“処罰”の場でありながら、同時に“官能的な視線”が介在している、と。

つまり、「乳首をまじまじと見る」という行為それ自体が、実は看守の内にある欲望を満たしていた——という構造です。

この指摘は、私の官能小説執筆にも非常に示唆を与えてくれます。

「見る」という行為の中に、権力と快楽が交錯する。それを言語でどう描くかが、私の今後の課題です。


■ 銀行業務と快楽の言語学

さて、昼間の私は、そんな艶めいたこととは無縁の世界にいます。

「延滞債権の回収状況を報告してください」
「住宅ローン、金利は変動型と固定型どちらが…」
「お客様がATMに通帳を置き忘れました」

日々の業務はルーティンの繰り返しであり、数値とリスクと信用のバランスの中で成り立っています。

けれど、夜の私は違います。クリトリスの語源を調べ、乳首の審問記録を読み解き、時には“喘ぎ声”の表記揺れについて真剣に悩む。

ギャップが大きいほど、私はより自由に、より大胆に筆を走らせることができるのです。


■ 今後の執筆とお願い

今後は、次のようなテーマで記事や作品を展開していく予定です。

  • 「見られる乳首、見せるクリトリス:視線と官能の交錯」
  • 「陰毛の社会史:処理される女性性」
  • 「喘ぎ声は“あ”か“ん”か:“声”の身体性をめぐって」

これらの研究と創作活動には、文献購入や取材、執筆環境の整備など、一定の資金が必要です。


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私の活動は、官能小説家として“性”を文化として昇華させ、より豊かで深い表現を世に送り出すことを目指しています。

銀行員という立場から一歩踏み出し、言葉と快楽の可能性を追求する——その挑戦を、ぜひ応援していただけませんか?

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